オーケストラと日本人(音楽書)
叢書ビブリオムジカ
アルテスパブリッシング
3,080円(税込)
日本のクラシック音楽、100年の軌跡を可視化する!大正期から今日までの演奏会データを徹底分析し、わたしたちの音楽文化形成の過程を実証する。
- 収載内容
-
- 序章 クラシック音楽文化はどこから来て、どこへ行くのか
- ──「正典」への憧憬と挑戦
- はじめに
- 本書の出発点となる問い
- レパートリーと正典
- 用語と鍵概念
- 「正典レパートリー」をめぐる問題
- 本書の学問上の位置づけ
- 音楽と社会の接点
- 音楽制度と音楽生活の研究──音楽社会学と音楽社会史
- 洋楽受容史を超えて
- レパートリー形成の実証研究
- 実証研究のアプローチ
- オーケストラ演奏会のレパートリー・データ
- 本書の構成と各章の概要
- プロローグ 日本のオーケストラ文化の起点──大正期へのまなざし
- 第一章 オーケストラ文化の誕生──明治・大正期の音楽生活とアマチュア
- 一 はじめに
- 二 学生オーケストラの創設と洋楽愛好家の若者たち
- 三 学生オーケストラの演奏会と曲目選考
- 四 初期の演奏会における「寄せ集め」のプログラム
- 1 慶應義塾ワグネル・ソサィエティー
- 2 九州帝国大学フィルハーモニー・オーケストラ
- 五 「シンフォニー・コンサート」の登場
- 六 結び
- 第二章 人気レパートリーの形成
- ──大正・昭和初期のベートーヴェンの交響曲受容の検証
- 一 はじめに
- 二 学生オーケストラの演奏レパートリー・データ(一九〇二?一九四一年)
- 三 人気レパートリーの二枚看板──ベートーヴェンの交響曲とオペラ抜粋
- 四 ベートーヴェンの交響曲受容の背景
- 1 ドイツ音楽中心の「洋楽受容モデル」
- 2 「記されたもの」から「鳴り響くもの」へ
- ──ベートーヴェン受容の転換期
- 3 ドイツ?楽への対抗──フランス音楽、ロシア音楽の受容
- 4 レパートリーの「画一化」
- 5 小括
- 五 人気レパートリーの形成要因の検証
- 1 仮説「人気曲目はいかなる要因によって決まるのか?」
- 2 問いの検証結果
- 六 結び
- 第三章 カルメンを愛した日本人
- ──ジャンルを横断するオペラ抜粋レパートリー
- 一 はじめに
- 二 初期の「カルメン」受容
- 三 大正期の「カルメン」受容の背景
- 1 堀内敬三による《カルメン》の訳詞
- 2 「カルメン」の舞台上演──浅草オペラとロシア?歌劇団
- 四 「カルメン抜粋曲」の普及
- 五 学生オーケストラの演奏会と「カルメン抜粋曲」
- 六 結び
- インテルメッツォI
- 第四章 正典と革新──戦後日本のオーケストラ文化とレパートリーの形成要因
- 一 はじめに
- 二 プロ・オーケストラの設立と普及──時代背景と社会的環境
- 1 戦後のインフラ整備
- 2 人々の意識の変化
- 3 オーケストラの設立
- 4 オーケストラの運営形態
- 5 オーケストラの財政
- 6 新たな聴衆の開拓
- 三 分析の観点
- 1 演奏能力
- 2 財政的基盤
- 3 文化政策
- 4 音楽教育
- 四 日本のプロ・オーケストラの演奏レパートリー・データ(一九二七?二〇〇〇年)
- 1 対象団体
- 2 レパートリー・データの特徴
- 五 レパートリーに変化をもたらす外部要因の検証
- 1 仮説「レパートリーに変化をもたらす要因は何か」
- 2 問いの検証結果
- 六 結び
- インテルメッツォII
- 第五章 オーケストラ・レパートリーに革新は起きるのか?
- ──国際比較による検証
- 一 はじめに
- 二 分析の観点
- 1 「正典」の優位性
- 2 「正典」からの逸脱
- 3 「革新」の諸要因
- 三 日本・ドイツ・アメリカのメジャー・オーケストラの演奏レパートリー・データ(一九四六-二〇一四年)
- 1 対象団体
- 2 レパートリー・データの特徴
- 3 指揮者の属性
- 四 レパートリーに多様性をもたらす指揮者要因の検証
- 1 仮説「指揮者の多様性はレパートリーに革新をもたらすか?」
- 2 問いの検証結果
- 五 結び
- 1 「指揮者の多様性」が「レパートリーの多様性」を生む
- 2 オーケストラ文化と「革新」
- エピローグ オーケストラ文化の多様性を問う
- 本書の分析結果
- レパートリーの「革新」はなぜ必要なのか
- オーケストラ文化の多様性と包摂性
- あとがき
- 注記
- 初出一覧
- 参考文献
- 主要索引
1 序章 クラシック音楽文化はどこから来て、どこへ行くのか
2 ──「正典」への憧憬と挑戦
3 はじめに
4 本書の出発点となる問い
5 レパートリーと正典
6 用語と鍵概念
7 「正典レパートリー」をめぐる問題
8 本書の学問上の位置づけ
9 音楽と社会の接点
10 音楽制度と音楽生活の研究──音楽社会学と音楽社会史
11 洋楽受容史を超えて
12 レパートリー形成の実証研究
13 実証研究のアプローチ
14 オーケストラ演奏会のレパートリー・データ
15 本書の構成と各章の概要
16 プロローグ 日本のオーケストラ文化の起点──大正期へのまなざし
17 第一章 オーケストラ文化の誕生──明治・大正期の音楽生活とアマチュア
18 一 はじめに
19 二 学生オーケストラの創設と洋楽愛好家の若者たち
20 三 学生オーケストラの演奏会と曲目選考
21 四 初期の演奏会における「寄せ集め」のプログラム
22 1 慶應義塾ワグネル・ソサィエティー
23 2 九州帝国大学フィルハーモニー・オーケストラ
24 五 「シンフォニー・コンサート」の登場
25 六 結び
26 第二章 人気レパートリーの形成
27 ──大正・昭和初期のベートーヴェンの交響曲受容の検証
28 一 はじめに
29 二 学生オーケストラの演奏レパートリー・データ(一九〇二?一九四一年)
30 三 人気レパートリーの二枚看板──ベートーヴェンの交響曲とオペラ抜粋
31 四 ベートーヴェンの交響曲受容の背景
32 1 ドイツ音楽中心の「洋楽受容モデル」
33 2 「記されたもの」から「鳴り響くもの」へ
34 ──ベートーヴェン受容の転換期
35 3 ドイツ?楽への対抗──フランス音楽、ロシア音楽の受容
36 4 レパートリーの「画一化」
37 5 小括
38 五 人気レパートリーの形成要因の検証
39 1 仮説「人気曲目はいかなる要因によって決まるのか?」
40 2 問いの検証結果
41 六 結び
42 第三章 カルメンを愛した日本人
43 ──ジャンルを横断するオペラ抜粋レパートリー
44 一 はじめに
45 二 初期の「カルメン」受容
46 三 大正期の「カルメン」受容の背景
47 1 堀内敬三による《カルメン》の訳詞
48 2 「カルメン」の舞台上演──浅草オペラとロシア?歌劇団
49 四 「カルメン抜粋曲」の普及
50 五 学生オーケストラの演奏会と「カルメン抜粋曲」
51 六 結び
52 インテルメッツォI
53 第四章 正典と革新──戦後日本のオーケストラ文化とレパートリーの形成要因
54 一 はじめに
55 二 プロ・オーケストラの設立と普及──時代背景と社会的環境
56 1 戦後のインフラ整備
57 2 人々の意識の変化
58 3 オーケストラの設立
59 4 オーケストラの運営形態
60 5 オーケストラの財政
61 6 新たな聴衆の開拓
62 三 分析の観点
63 1 演奏能力
64 2 財政的基盤
65 3 文化政策
66 4 音楽教育
67 四 日本のプロ・オーケストラの演奏レパートリー・データ(一九二七?二〇〇〇年)
68 1 対象団体
69 2 レパートリー・データの特徴
70 五 レパートリーに変化をもたらす外部要因の検証
71 1 仮説「レパートリーに変化をもたらす要因は何か」
72 2 問いの検証結果
73 六 結び
74 インテルメッツォII
75 第五章 オーケストラ・レパートリーに革新は起きるのか?
76 ──国際比較による検証
77 一 はじめに
78 二 分析の観点
79 1 「正典」の優位性
80 2 「正典」からの逸脱
81 3 「革新」の諸要因
82 三 日本・ドイツ・アメリカのメジャー・オーケストラの演奏レパートリー・データ(一九四六-二〇一四年)
83 1 対象団体
84 2 レパートリー・データの特徴
85 3 指揮者の属性
86 四 レパートリーに多様性をもたらす指揮者要因の検証
87 1 仮説「指揮者の多様性はレパートリーに革新をもたらすか?」
88 2 問いの検証結果
89 五 結び
90 1 「指揮者の多様性」が「レパートリーの多様性」を生む
91 2 オーケストラ文化と「革新」
92 エピローグ オーケストラ文化の多様性を問う
93 本書の分析結果
94 レパートリーの「革新」はなぜ必要なのか
95 オーケストラ文化の多様性と包摂性
96 あとがき
97 注記
98 初出一覧
99 参考文献
100 主要索引
- 商品詳細
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商品説明 ベートーヴェンなどドイツ音楽への傾倒、カルメン人気にみる大衆音楽への接続、そして「正典」を中心に均質化するレパートリー──
大正時代から21世紀初頭まで、100年間にわたるプロ・オーケストラや学生オーケストラの演奏会データを分析し、人気レパートリーの形成と、一部の作品が「正典」として権威を獲得するまでのプロセスを追い、さらにヨーロッパやアメリカとの比較をつうじて、日本人がクラシック音楽とどのように向き合い、受け容れてきたのかを解き明かす。日本の音楽文化の真実に実証的にせまる意欲的な研究!商品番号 F0236887 ジャンル 書籍・辞典 サイズ A5 ページ数 272 著者 井上登喜子 ISBNコード 9784865593051