ミュージカルの解剖学(音楽書)
春秋社
2,860円(税込)
ミュージカルのきらめく舞台にメスをいれ、「歌とダンスのエンタメ」の真の姿を露わにする。舞台芸術にかかわる全人類が必読の一冊。
- 収載内容
-
- プロローグ
- 「ミュージカルはなぜいきなり歌うのか。」
- 「リアリズム」の魔
- ミュージカルと観客の「型」
- 「非日常」という「きらめき」
- 本書の目的
- 第1章 ミュージカルの筋とプロット
- 1 ミュージカルって何?
- 「ミュージカル・ナンバー」
- 物語の「筋」
- アリストテレスの「ミュトス」と「ロゴス」
- ミュージカルの「筋」
- 2 プロットとナンバー
- 「大きなプロット」と「小さなプロット」
- ブック・ミュージカルの誕生
- 「プロット」の連鎖
- プロットの意図的な放棄――ブックレス・ミュージカルとコンセプト・ミュージカル
- 3 ナンバーの「時間」
- ナンバーのなかの時間
- ナンバーのなかのプロット
- 感情エネルギーとしてのダンスの「時間」
- プロットのなかの「ダンス」
- まとめ
- 第2章 キャラクター
- 1 キャラクターを手に入れる
- 「役割」と「性格」
- 2 「古典的」なキャラクター
- 「シンデレラ・ストーリー」のキャラクター
- 「役割」と物語
- 3 「近代的」なキャラクター
- 異形の悲しみ
- 《オペラ座の怪人》(1986)
- シャッフルされた「役割」と「性格」
- 「性格」のゆがみ
- 複数形の視点
- 正義なき時代の「ヒーロー」
- 《ミス・サイゴン》(1989)
- 4 「オズの魔法使い」にみるキャラクターの変化
- (1)映画『オズの魔法使』(1939)
- (2)ミュージカル《ザ・ウィズ》(1974)と映画『ウィズ』(1978)
- (3)《ウィキッド》(2004)
- まとめ
- 第3章 ナンバーの機能
- 1 ナンバーの機能
- 登場人物は歌っているのか
- 4種類の機能
- 機能の組み合わせ
- 分類するための手順
- 機能分類のメリット
- 2 ナンバーの機能(1)「ショー SHOW」
- 舞台上のステージ
- 登場人物の「職業」と「ショー」の機能
- ステージの外側で
- 《シカゴ》と「ショーのショー」
- 客役をひきうける観客たち
- 3 ナンバーの機能(2)「ユニティ UNITY」
- 「ユニティ」という言葉
- 世界観のあらわれ
- 「テーマ」の提示
- 主人公から見た世界像
- 「共有」と「同意」
- 4 ナンバーの機能(3)「ダイアローグ DIALOGUE」
- 「思想の説明・説得」
- ヒギンズ教授の孤独
- 説得が「ショー」になる
- 「ダイアローグ→ユニティ」(愛の告白)
- 「ダイアローグ→ユニティ」(説得→共有)
- 《ウェスト・サイド物語》の「説得・同意」
- 《ジーザス・クライスト・スーパースター》の「ダイアローグ」
- 同意にいたらないダイアローグ
- 《レント》の場合――〈ライト・マイ・キャンドル〉
- 「ナレーション」――わたしたちに向けた「ダイアローグ」
- 5 ナンバーの機能(4)「モノローグ MONOLOGUE」
- 「思想」・「願望」の提示
- 「感情」の表現
- プロットの結果によらない「モノローグ」
- 自問自答の「モノローグ」
- 「ダイアローグ」なのに「モノローグ」
- みえないふり、きこえないふり
- 物言わぬ者への「ダイアローグ〔モノローグ〕」
- モノローグの「ユニティ」
- まとめ
- 第4章 「アダプテーション」と「リプライズ」
- 1 舞台と映画 アダプテーション
- 《サウンド・オブ・ミュージック》のアダプテーション
- オープニング~〈サウンド・オブ・ミュージック〉
- 〈私のお気に入り〉と〈自信をもって〉
- 〈ド・レ・ミ〉の位置
- 〈ひとりぼっちの羊飼い〉、〈私のお気に入り〉
- 〈エーデルワイス〉
- 2 舞台と映画(2) 《ウェスト・サイド物語》の機能の変化
- (1)舞台版(1957)
- (2)映画版(ワイズ監督、1961)
- (3)映画版(スピルバーグ監督、2021)
- 3 リプライズの機能
- 《王様と私》〈アイ・ウィスル・ア・ハッピー・チューン〉、〈ハロー・ヤング・ラヴァーズ〉
- 《ウェスト・サイド物語》〈トゥナイト〉
- リプライズのプロット化《キャッツ》〈メモリー〉
- 《ウィキッド》〈だれも悪人のことを嘆かない〉
- 〈だれも悪人のことを嘆かない〉(リプライズ)
- まとめ
- 第5章 せりふと歌詞
- 1 言葉が意味するもの 「せりふ」と「歌詞」
- せりふ
- ト書き
- 象徴的な位置
- 2 詩のリズムと音楽
- リズムの原則
- 詩行としてのリズム
- (1)イアンブス格(○●)
- (2)トロカエウス格(●〇)
- (3)アナパエストス格(〇〇●)
- (4)ダクテュロス格(●〇〇)
- 3 リズムの混合
- 《レ・ミゼラブル》の〈民衆の歌〉
- 第6章 音楽の役割
- 1 音楽の「テイスト」
- 楽団の位置
- 「AABA形式」とミュージカル・ナンバー
- 「形式」のヴァリエーション――『トップ・ハット』〈イズント・ディス・ア・ラヴリィ・デイ?〉
- 2 「クラシック音楽」の語り口
- オーケストレーター
- ライトモティーフ
- 《ウェスト・サイド物語》の「ライトモティーフ」
- 民族音楽がしめす「物語の舞台」
- 3 キャラクターとしての「音楽」
- イエスもモーツァルトもロックを歌う
- アンチテーゼとしてのポップス
- ジュークボックス・ミュージカル
- ノスタルジーとしてのジュークボックス・ミュージカル
- エピローグ 「きらめき」の構造
- きらめきの正体
- 歌い、踊ること
- 「ユニティ」による「肯定」
- 「ユニティ」による疎外
- フィナーレ
- 「わたしたちは自分の庭を育てよう」
- あとがき
- 引用・参考文献
- 索引
1 プロローグ
2 「ミュージカルはなぜいきなり歌うのか。」
3 「リアリズム」の魔
4 ミュージカルと観客の「型」
5 「非日常」という「きらめき」
6 本書の目的
7 第1章 ミュージカルの筋とプロット
8 1 ミュージカルって何?
9 「ミュージカル・ナンバー」
10 物語の「筋」
11 アリストテレスの「ミュトス」と「ロゴス」
12 ミュージカルの「筋」
13 2 プロットとナンバー
14 「大きなプロット」と「小さなプロット」
15 ブック・ミュージカルの誕生
16 「プロット」の連鎖
17 プロットの意図的な放棄――ブックレス・ミュージカルとコンセプト・ミュージカル
18 3 ナンバーの「時間」
19 ナンバーのなかの時間
20 ナンバーのなかのプロット
21 感情エネルギーとしてのダンスの「時間」
22 プロットのなかの「ダンス」
23 まとめ
24 第2章 キャラクター
25 1 キャラクターを手に入れる
26 「役割」と「性格」
27 2 「古典的」なキャラクター
28 「シンデレラ・ストーリー」のキャラクター
29 「役割」と物語
30 3 「近代的」なキャラクター
31 異形の悲しみ
32 《オペラ座の怪人》(1986)
33 シャッフルされた「役割」と「性格」
34 「性格」のゆがみ
35 複数形の視点
36 正義なき時代の「ヒーロー」
37 《ミス・サイゴン》(1989)
38 4 「オズの魔法使い」にみるキャラクターの変化
39 (1)映画『オズの魔法使』(1939)
40 (2)ミュージカル《ザ・ウィズ》(1974)と映画『ウィズ』(1978)
41 (3)《ウィキッド》(2004)
42 まとめ
43 第3章 ナンバーの機能
44 1 ナンバーの機能
45 登場人物は歌っているのか
46 4種類の機能
47 機能の組み合わせ
48 分類するための手順
49 機能分類のメリット
50 2 ナンバーの機能(1)「ショー SHOW」
51 舞台上のステージ
52 登場人物の「職業」と「ショー」の機能
53 ステージの外側で
54 《シカゴ》と「ショーのショー」
55 客役をひきうける観客たち
56 3 ナンバーの機能(2)「ユニティ UNITY」
57 「ユニティ」という言葉
58 世界観のあらわれ
59 「テーマ」の提示
60 主人公から見た世界像
61 「共有」と「同意」
62 4 ナンバーの機能(3)「ダイアローグ DIALOGUE」
63 「思想の説明・説得」
64 ヒギンズ教授の孤独
65 説得が「ショー」になる
66 「ダイアローグ→ユニティ」(愛の告白)
67 「ダイアローグ→ユニティ」(説得→共有)
68 《ウェスト・サイド物語》の「説得・同意」
69 《ジーザス・クライスト・スーパースター》の「ダイアローグ」
70 同意にいたらないダイアローグ
71 《レント》の場合――〈ライト・マイ・キャンドル〉
72 「ナレーション」――わたしたちに向けた「ダイアローグ」
73 5 ナンバーの機能(4)「モノローグ MONOLOGUE」
74 「思想」・「願望」の提示
75 「感情」の表現
76 プロットの結果によらない「モノローグ」
77 自問自答の「モノローグ」
78 「ダイアローグ」なのに「モノローグ」
79 みえないふり、きこえないふり
80 物言わぬ者への「ダイアローグ〔モノローグ〕」
81 モノローグの「ユニティ」
82 まとめ
83 第4章 「アダプテーション」と「リプライズ」
84 1 舞台と映画 アダプテーション
85 《サウンド・オブ・ミュージック》のアダプテーション
86 オープニング~〈サウンド・オブ・ミュージック〉
87 〈私のお気に入り〉と〈自信をもって〉
88 〈ド・レ・ミ〉の位置
89 〈ひとりぼっちの羊飼い〉、〈私のお気に入り〉
90 〈エーデルワイス〉
91 2 舞台と映画(2) 《ウェスト・サイド物語》の機能の変化
92 (1)舞台版(1957)
93 (2)映画版(ワイズ監督、1961)
94 (3)映画版(スピルバーグ監督、2021)
95 3 リプライズの機能
96 《王様と私》〈アイ・ウィスル・ア・ハッピー・チューン〉、〈ハロー・ヤング・ラヴァーズ〉
97 《ウェスト・サイド物語》〈トゥナイト〉
98 リプライズのプロット化《キャッツ》〈メモリー〉
99 《ウィキッド》〈だれも悪人のことを嘆かない〉
100 〈だれも悪人のことを嘆かない〉(リプライズ)
101 まとめ
102 第5章 せりふと歌詞
103 1 言葉が意味するもの 「せりふ」と「歌詞」
104 せりふ
105 ト書き
106 象徴的な位置
107 2 詩のリズムと音楽
108 リズムの原則
109 詩行としてのリズム
110 (1)イアンブス格(○●)
111 (2)トロカエウス格(●〇)
112 (3)アナパエストス格(〇〇●)
113 (4)ダクテュロス格(●〇〇)
114 3 リズムの混合
115 《レ・ミゼラブル》の〈民衆の歌〉
116 第6章 音楽の役割
117 1 音楽の「テイスト」
118 楽団の位置
119 「AABA形式」とミュージカル・ナンバー
120 「形式」のヴァリエーション――『トップ・ハット』〈イズント・ディス・ア・ラヴリィ・デイ?〉
121 2 「クラシック音楽」の語り口
122 オーケストレーター
123 ライトモティーフ
124 《ウェスト・サイド物語》の「ライトモティーフ」
125 民族音楽がしめす「物語の舞台」
126 3 キャラクターとしての「音楽」
127 イエスもモーツァルトもロックを歌う
128 アンチテーゼとしてのポップス
129 ジュークボックス・ミュージカル
130 ノスタルジーとしてのジュークボックス・ミュージカル
131 エピローグ 「きらめき」の構造
132 きらめきの正体
133 歌い、踊ること
134 「ユニティ」による「肯定」
135 「ユニティ」による疎外
136 フィナーレ
137 「わたしたちは自分の庭を育てよう」
138 あとがき
139 引用・参考文献
140 索引
- 商品詳細
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商品説明 「なぜいきなり歌うのか」――この問いに答えるべく、ミュージカルというジャンルを成り立たせ、「きらめき」をうみだす「型」のしくみを解き明かす画期的著作。筋やプロット、キャラクター、ミュージカル・ナンバー、歌詞やせりふなど、ミュージカルを形作るさまざまな構成要素を分解し、だれもみたことがない舞台裏をのぞく。ミュージカルについて本格的に学べる、観る人、作る人、演じる人・・・・・・舞台芸術にかかわる全人類が必読の一冊。 商品番号 F0231313 ジャンル 書籍・辞典 サイズ A5 ページ数 320 著者 長屋晃一 初版日 2024年10月20日 ISBNコード 9784393932360