わが友、シューベルト(音楽書)
アルテスパブリッシング


6,600円(税込)
狂騒、神、愛(エロス)、成熟──聴くものすべてを包みこむあの“親しさ”はどこから来るのか。伊藤亜紗氏、河村尚子氏、山田和樹氏、推薦!
- 収載内容
-
- はじめに──音楽のむこう
- 序章 宇宙
- 第1節 19世紀ウィーンの遊戯
- 変転する無限
- 室内で世界を
- 複数世界
- 第2節 一幅の絵に宇宙を
- 音楽の星団
- ナンセンスと狂気
- 親友の画家
- 第I章 狂騒
- 第1節 サークル活動
- 日常の顔
- シューベルトと四つのクラブ
- 第2節 作曲家の痕跡をたどって
- 際限なきフィクション
- 船
- ツィンバロムの騎士、あらわる
- シューベルト・オペラの源泉
- 「黒のわざ」のトリプル・ミーニング
- 下世話なテーマと音楽研究
- 第3節 クラブの音楽神
- ユーモアから音楽が生まれる
- 音楽と神
- 神=作曲家
- 第II章 神
- 第1節 宗教のアナーキー
- 兄と父、そして弟
- 愛多き友人たち
- 自由と植物
- 第2節 信仰の在りか
- 源泉としての聖書
- 大らかな宗教性
- 信仰告白
- 普遍的教会の拒絶
- 圧縮から削除へ
- 「全能なる父」の否定
- 矛盾をそのままに
- 神は自然のなかにいる
- 第3節 正しく真なる祈り
- おのずと湧く祈り
- 天地の断絶──グノーシス
- 神なき世界
- 獣性からの救済
- 大地に生きる
- この命、そして来るべき生
- 第III章 愛
- 第1節 古代の知
- エロス
- アガペー、フィリア
- プラトン
- 古代と神話──寄る辺なき時代に
- 第2節 異教の愛
- 親友と古代ギリシア
- ディアーナ──死をもたらす女
- アウロラ──天地の合一、性別の撤廃
- ウラニア──人類の救済
- 第3節 ロマンティック・プラトン
- 愛の本
- プラトンによる救い
- 神話の終焉
- 第IV章 成熟
- 第2節 ナイーヴな創造
- あきらめと成熟
- オペラ史のなかの《フィエラブラス》
- 弛緩したオペラ?
- 第2節 成長する主人公
- 愛の昇華
- 共作のたまもの
- 「あこがれ」と「自制」
- 第3節 悩める主人公
- わきたつ「復讐」
- 「怒り」の連鎖と変奏
- 友情による解決
- 媒介者としての主人公
- 愛の亡霊
- 神なき世界
- 第V章 心
- 第1節 無言の視線劇
- シャレード絵の謎
- 頬づえの男
- 第三のハルトマン
- 心を病んだ男
- 第2節 副次主題
- ふくらむ音楽
- 心の音楽史
- ドラマと抒情のパラドクス
- 第3節 争点としての「心」
- 音楽がよって来る場所
- アレゴリー
- 第VI章 他者
- 第1節 18世紀──2つの源泉
- 異質な話題──修辞学
- 無意識──ライプニッツ
- 狂気のとば口
- 第2節 19世紀──他者としての副次主題
- 構造と生成
- 音楽──民族を育むもの
- 正しいものを育む
- 衝動=動機を育む
- 終わりなき自由
- 他者のパラドクス
- 他者の馴致
- 流動化と包摂
- 第3節 精神分析と音楽理論
- 第VII章 後期
- 第1節 飛躍とその蔭
- 至高のもの
- 死の衝動
- 自作コンサート
- 第2節 奇跡と死 ?
- 後期ということ
- 奇跡の年
- 破綻
- 精神病理学から
- 第3節 反復
- 反復の作曲家
- 同音(型)の反復(Lv.1)
- 副次主題の変奏反復(Lv.2)
- 広範な主題回帰(Lv.3)
- 同一語法への固着──愛と痛み(Lv.4)
- 反復される欲望
- 倒錯の歴史的条件
- マゾヒズム
- 第VIII章 狂気と至福
- 第1節 狂気と至福
- 「謎」としてのカルテット
- 変奏曲としてのソナタ形式
- 切断の享楽
- 主なき想念の不気味
- 荒野のオアシス
- 享楽の反復
- 第2節 無時間へ
- 詩人の恋と妄想
- 妄想に寄り添う
- 揺動とためらい
- 現在から過去へ(第1・2詩節)
- 幸福な現在(第3・4詩節)
- 悲惨、願望──そして諦念・反復へ(第5・6詩節)
- 第IX章 生と死
- 第1節 異界の浸潤
- 移行としての音楽
- 溶解と切断
- 揺動する主題
- 世界の亀裂
- 閾の往還
- はてなき旅
- 第2節 亡霊I
- 偉人の墓標にて
- 告別の旋律学
- 亡霊の召喚、そして……
- 後日談
- 第3節 亡霊II
- つつましい邂逅
- 痛みのツィクルス
- 反復強迫
- 反復と差異
- 亡霊との和解
- 第X章 悲劇と愛
- 愛の多声歌曲
- 親密なぬくもりを
- 人気ジャンル
- 王道
- 「新しい形式」
- ほっそりと、燃えさかる
- ためらいがちに、寄り添う
- 悲劇による救済
- ウィーンの激震
- 救済の在りか
- 哲学者シューベルト
- 不在で、あなたを見守りたい
- おわりに──もぐること、寄り添うこと ?
- column
- 外宇宙と内宇宙──メディアが拡げた音楽聴
- 音楽学と伝記
- 伝記の「闇」
- 「傷」から聴く音楽
- 思想史と音楽理論
- 悲劇と喜劇
- 音楽と障害学
- ピリオド楽器の愉悦
- 永遠の秋
- 浸透する告別主題 ?
- 参考文献
- 索引
- シューベルトの作品
- 固有名
- 映像作品
- 事項
1 はじめに──音楽のむこう
2 序章 宇宙
3 第1節 19世紀ウィーンの遊戯
4 変転する無限
5 室内で世界を
6 複数世界
7 第2節 一幅の絵に宇宙を
8 音楽の星団
9 ナンセンスと狂気
10 親友の画家
11 第I章 狂騒
12 第1節 サークル活動
13 日常の顔
14 シューベルトと四つのクラブ
15 第2節 作曲家の痕跡をたどって
16 際限なきフィクション
17 船
18 ツィンバロムの騎士、あらわる
19 シューベルト・オペラの源泉
20 「黒のわざ」のトリプル・ミーニング
21 下世話なテーマと音楽研究
22 第3節 クラブの音楽神
23 ユーモアから音楽が生まれる
24 音楽と神
25 神=作曲家
26 第II章 神
27 第1節 宗教のアナーキー
28 兄と父、そして弟
29 愛多き友人たち
30 自由と植物
31 第2節 信仰の在りか
32 源泉としての聖書
33 大らかな宗教性
34 信仰告白
35 普遍的教会の拒絶
36 圧縮から削除へ
37 「全能なる父」の否定
38 矛盾をそのままに
39 神は自然のなかにいる
40 第3節 正しく真なる祈り
41 おのずと湧く祈り
42 天地の断絶──グノーシス
43 神なき世界
44 獣性からの救済
45 大地に生きる
46 この命、そして来るべき生
47 第III章 愛
48 第1節 古代の知
49 エロス
50 アガペー、フィリア
51 プラトン
52 古代と神話──寄る辺なき時代に
53 第2節 異教の愛
54 親友と古代ギリシア
55 ディアーナ──死をもたらす女
56 アウロラ──天地の合一、性別の撤廃
57 ウラニア──人類の救済
58 第3節 ロマンティック・プラトン
59 愛の本
60 プラトンによる救い
61 神話の終焉
62 第IV章 成熟
63 第2節 ナイーヴな創造
64 あきらめと成熟
65 オペラ史のなかの《フィエラブラス》
66 弛緩したオペラ?
67 第2節 成長する主人公
68 愛の昇華
69 共作のたまもの
70 「あこがれ」と「自制」
71 第3節 悩める主人公
72 わきたつ「復讐」
73 「怒り」の連鎖と変奏
74 友情による解決
75 媒介者としての主人公
76 愛の亡霊
77 神なき世界
78 第V章 心
79 第1節 無言の視線劇
80 シャレード絵の謎
81 頬づえの男
82 第三のハルトマン
83 心を病んだ男
84 第2節 副次主題
85 ふくらむ音楽
86 心の音楽史
87 ドラマと抒情のパラドクス
88 第3節 争点としての「心」
89 音楽がよって来る場所
90 アレゴリー
91 第VI章 他者
92 第1節 18世紀──2つの源泉
93 異質な話題──修辞学
94 無意識──ライプニッツ
95 狂気のとば口
96 第2節 19世紀──他者としての副次主題
97 構造と生成
98 音楽──民族を育むもの
99 正しいものを育む
100 衝動=動機を育む
101 終わりなき自由
102 他者のパラドクス
103 他者の馴致
104 流動化と包摂
105 第3節 精神分析と音楽理論
106 第VII章 後期
107 第1節 飛躍とその蔭
108 至高のもの
109 死の衝動
110 自作コンサート
111 第2節 奇跡と死 ?
112 後期ということ
113 奇跡の年
114 破綻
115 精神病理学から
116 第3節 反復
117 反復の作曲家
118 同音(型)の反復(Lv.1)
119 副次主題の変奏反復(Lv.2)
120 広範な主題回帰(Lv.3)
121 同一語法への固着──愛と痛み(Lv.4)
122 反復される欲望
123 倒錯の歴史的条件
124 マゾヒズム
125 第VIII章 狂気と至福
126 第1節 狂気と至福
127 「謎」としてのカルテット
128 変奏曲としてのソナタ形式
129 切断の享楽
130 主なき想念の不気味
131 荒野のオアシス
132 享楽の反復
133 第2節 無時間へ
134 詩人の恋と妄想
135 妄想に寄り添う
136 揺動とためらい
137 現在から過去へ(第1・2詩節)
138 幸福な現在(第3・4詩節)
139 悲惨、願望──そして諦念・反復へ(第5・6詩節)
140 第IX章 生と死
141 第1節 異界の浸潤
142 移行としての音楽
143 溶解と切断
144 揺動する主題
145 世界の亀裂
146 閾の往還
147 はてなき旅
148 第2節 亡霊I
149 偉人の墓標にて
150 告別の旋律学
151 亡霊の召喚、そして……
152 後日談
153 第3節 亡霊II
154 つつましい邂逅
155 痛みのツィクルス
156 反復強迫
157 反復と差異
158 亡霊との和解
159 第X章 悲劇と愛
160 愛の多声歌曲
161 親密なぬくもりを
162 人気ジャンル
163 王道
164 「新しい形式」
165 ほっそりと、燃えさかる
166 ためらいがちに、寄り添う
167 悲劇による救済
168 ウィーンの激震
169 救済の在りか
170 哲学者シューベルト
171 不在で、あなたを見守りたい
172 おわりに──もぐること、寄り添うこと ?
173 column
174 外宇宙と内宇宙──メディアが拡げた音楽聴
175 音楽学と伝記
176 伝記の「闇」
177 「傷」から聴く音楽
178 思想史と音楽理論
179 悲劇と喜劇
180 音楽と障害学
181 ピリオド楽器の愉悦
182 永遠の秋
183 浸透する告別主題 ?
184 参考文献
185 索引
186 シューベルトの作品
187 固有名
188 映像作品
189 事項
- 商品詳細
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商品説明 近年めざましい進展をみせるシューベルト研究。その中心人物による記念碑的労作が誕生!
19世紀初頭──動乱の予感をはらむ凪(なぎ)の時代を、誰よりも疾(はや)く駈けぬけた作曲家の実像に肉迫する。
「幸薄い早世の作曲家」という従来のイメージを覆し、「自らの欲求に衝き動かされ、めまいのするような愛に満たされて生きた人」として、いまだかつてないシューベルト像を提示。シューベルトの生きた時代を追体験し、その無意識の領域にまでせまるべく、手を伸ばした情報の幅広さと密度はまさに圧倒的。数多くのカラー図版を掲げながら、従来にない解像度で描きだす作曲家の実像は、まさに「わが友」というべき親密さに到達している。各界から絶賛の声!商品番号 F0219188 ジャンル 書籍・辞典 サイズ A5 ページ数 648 著者 堀朋平 初版日 2023年02月25日 ISBNコード 9784865592634